Y.F.さんの感想文を、許可を得て掲載します。(24/2/4更新)


「令和5年度東京都合気道演武大会参加レポート」

 「演武大会に出てみたら」と初めて声をかけていただいたのは、合気道を始めて一ヶ月、15歳の時でした。
エンブカイ??漢字も浮かばないまま、さすがにまだ早かろうと見送られて時を過ごし、何十年かぶりに再開しても、コロナ禍では相変わらず演武大会は遠い存在でした。

 それが、2023年5月。日本武道館での演武大会が再開。遅れて到着すると、既にレジェンド有段者の演武も中盤。その立ち合いは、隙がなく、柔らかくて重い。 この美しさに近づきたいと魅入って終わった初めての演武大会。360度すり鉢状の会場で、注目されるなか、修行の段階を表現する場だと知りました。

 そして、11月。東京武道館での演武大会にエントリー。やっと中の人になれたことに高揚して開会式に向かうと、勝手に周りを意識して緊張し始める。 雑念を払うように控えで練習、通路で復習、そして、大太鼓が開始の合図。

ドン!
広い武道館のなか対峙する相手にグッと集中する。
と、そのつもりが、急くばかりで相手を感じる余裕のない自分を知る。集中!言い聞かせて立ち合う相手を見る。感じて、打ち込む間を、気を、意識して。 今度はどうか。今度はどうだ。あ!置けた。感じられた。

ドン!
一斉に左右に分かれ挨拶をして終了。あっという間だった。

 初めて参加した演武大会は自分が憧れる姿には程遠かったけれど、一度でも相手を感じて組み合いうことができました。 だから、畳を降りた瞬間に湧き上がってきた感情とそれを共有できていることの喜びが、感動に変わる。フレッシュな感動が、ただ嬉しい。

『受けさせていただく』『打たせていただく』

 いつも師範が仰る心持ち。形ではないところを身につけて、姿に表せるようになりたい。隙なく柔らかく、重さをもって。
演武大会は、思いを新たにできる貴重な機会でした。

ありがとうございました。



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